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鶏頭

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TVやマンガ、ゲームなどを見ていると、

たまに「自爆技」を使うキャラクターが出てくる。

テレビゲーム、ドラゴンクエストだと「ばくだんいわ」だ。

追いつめられると、メガンテを使ってくるイヤなキャラクターだ。

古いやくざ映画や、刑事ドラマを見ていると、

体にダイナマイトを巻き付けたキャラクターが出てくる。

ただ、この手のキャラクターが、実際に自爆することは少ない。

歴史上のことでいえば、「特攻隊」や「人間魚雷回天」などは、

一種の自爆技といえるだろう。

そんな中、ひときわ記憶に残っているのが、

「仮面ライダーストロンガー」に出てきた、電波人間タックルである。

タックルは、デルザー軍団の幹部1人を相手に、

自爆技・ウルトラサイクロンを強行、そのまま死んでしまうのである。

この時、道連れにされた敵幹部が「ドクターケイト」であった。

全身が真っ赤で、頭がカリフラワーのような形をしている。

このキャラクターを初めて見た、子供のころの感想は、

ミョウチクリンな頭をした、全身タイツのおばさんであった。

毒を使うキャラクターであったせいか、妙に毒々しい赤色であった。

それからどれくらいたってからだったか、

この「ドクターケイト」の「ケイト」は、

「鶏頭(けいとう)」のことだと知った。

わりとあちらこちらの花壇に、植えられている花である。

「鶏頭」と書くだけに、

形はどことなく「鶏のトサカ」に似ている……、だろうか?

子供のころ、チャボや鶏を飼っていたことがあるが、

すくなくとも形状は、似ているとは言い辛い。

わりと硬い質感のトサカに比べると、ふかふかとした手触りで、

まるで毛布かなにかを、触っているような感じだ。

色も、どちらかといえばオレンジがかっている鶏のトサカに比べ、

鶏頭の花の色は紫色に近い。

わりとどぎつい赤紫色である。

学名は「Celosia argentea」で、「燃焼」という意味の、

ギリシャ語に由来している。

ギリシャ人は鶏頭を見て、燃えている火をイメージしたようだ。

すくなくとも鶏のトサカよりは、正確に形状を捉えている気がする。

鶏頭はヒユ科の一年生の草本である。

ヒユ科というのは、あまり聞いたことが無いが、それも当たり前で、

そのほとんどが熱帯に生えている種属だ。

日本国内にはヒユ科の植物は、十数種類しかない。

その代表的なものが、鶏頭なのである。

もともとは、鶏頭も日本の在来種ではなく、熱帯アジアの原産である。

日本には奈良時代に持ち込まれた。

アフリカや東南アジアでは食用にされており、

日本でも、かつては食用に栽培されていた時期があるようだ。

主に、花と葉を食したらしい。

栽培する場合は、春先にタネを撒き、

夏から秋にかけて花をつける。

もともと熱帯の植物なので、日本の夏の暑さなどものともしない。

直射日光にあたっていても、ぐんぐんと成長する。

ただ乾燥に弱いので、栽培する場合は土を乾燥させないようにする必要がある。

そういえば、最初に書いた「ドクターケイト」の弱点は「火」であった。

乾燥に弱いという点を見れば、鶏頭に準じているといえるし、

暑さに強いという点を見れば、全く鶏頭らしくない。

しかし普通に考えてみれば、大概の生物は火を恐れる。

もちろん、人間にしてみたところで、火に触れれば火傷をするし、

全身に火傷を負えば、死に至る。

そう考えてみると「火に弱い」というのは、

それほど深刻な弱点ではないのかもしれない。

ちなみに花や葉が食用にされていた、ということなので、

現在でも誰かが食べているのではないかと思い、「鶏頭」「食べる」という

キーワードで検索してみた。

するとひとつ、「鶏頭」を食べるというタイトルがヒットした。

おお、食べている人もいるんだなと、そのHPを見てみると、

写真等がさっぱり無い。

まるで、このブログだ。

で、書いてあることを読んでみると、「脳みそがおいしい!」と書いてある。

……。

植物の鶏頭ではなく、本物の鶏の頭を食べた話であった。

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