人相というのは、いろいろな情報をもっている。
世の中には、人相を見ることで、その人の性格を知ろうというものもある。
顔には、いろいろな情報が含まれている。
自分は、人の顔を覚えるのが、苦手だった。
仕事で、膨大な数の客と顔を合わせるようになって、
顔を覚えることにも慣れたが、それ以前はひどかった。
人から声をかけられても、相手の顔が思い出せず、
必死に取り繕いながら、記憶を辿ったものだ。
今回は、本格的な「観相術」について書いていくワケではない。
タイトルにあるように、もっと気楽に顔を分析していく。
今回は「ウルトラマン」の顔について、分析していく。
さて、ウルトラマンの顔、といわれて何を思い浮かべるだろうか?
銀色の肌、卵型の目、人間の口に似ているようで似ていない口。
鼻といえるほどのものもなく、耳も人間のものとは違っている。
「宇宙人」という設定のキャラクターなので、人間をモチーフにしながらも、
人間離れしているという、相反した要素を内包している。
良く知られている宇宙人(?)に、グレイというのがいる。
頭でっかちで、体が細く、目が黒く吊り上がっていて大きい。
宇宙人、ということなら、比較的メジャーなこのグレイが、
モデルになっていてもよさそうなものだが、これとはだいぶ造形が違う。
もっとも、巨大なグレイが怪獣と戦うのでは、
ウルトラマンは人気が出なかっただろう。
さて、ウルトラマンの顔を並べて、分析してみよう。
まずは、目のパーツだ。
ウルトラマンに代表される卵型の目と、
ウルトラセブンに代表される六角形型の目がある。
この種族の目は、この2種類だけである。
割合としては、圧倒的に卵型の目が多い。
六角形型の目を持っているタイプは、さぞ肩身が狭い思いをしているに違いない。
あるいは、レアな目ということで、モテモテなのだろうか?
この手の特徴は、普通、両親の持つ染色体による遺伝ということになる。
セブンの息子ゼロは、セブンと同じ六角形型の目をしている。
逆に両親ともに卵型の目を持つタロウは、六角形型の目である。
どういう遺伝でこうなったのか?
あるいはタロウは、不貞の……?いや、これは止めておこう。
この種族の目は、一様に吊り上がっており、垂れ目のウルトラマンは存在しない。
次に鼻を見ていこう。
目鼻立ちという言葉もあるくらい、鼻の形は顔の印象を決定づける。
それほどに重要な顔のパーツであるが、この種族には鼻がない。
極めて少数のウルトラマンに鼻が確認できるが、
基本的に頭頂部のトサカから続く盛り上がりが、口にまで達していて、
鼻というものは存在していない。
口は開かない。
というより、この種族はモノを食べないので、退化したのかもしれない。
人間なら他にも、呼吸をしたり、声を発したりという役割があるが、
この種属の場合、口を動かさずに喋るし、
肩で息をするほどに疲弊していても、口が開くことはない。
彼らにとって口というのは、完全にお飾りになってしまっている。
そのためか、彼らの口は一様に同じ形である。
これも口の形の違う例外がわずかにいるが、ほんの一握りである。
耳は人間と同じく、頭の側部についている。
形は個人によって、様々である。
この点、人間に似ているといえる。
一部には耳の辺りから、角状の突起が出ていることもあるが、
これは耳である場合と、そうでない場合がある。
またこの突起状の耳は、時たま消えてなくなったりする。
輪郭は皆同じである。
人間の場合は、ここで顔の印象が大きく変わってくるが、
この種族は、老いも若きも輪郭は一様だ。
ただ頭部の形状には、大きな違いがある。
頭髪はないが、何らかの凹凸状の変化があり、彼らの特徴をなしている。
もっとも多いのは、頭頂部から顔の正中線に沿って、突起があるパターンだ。
この突起は板状であることが多く、人間のモヒカンスタイルに近い。
中にはこの突起部が、着脱式の者もいる。
顎周りに、髭が生えてくることが確認されている。
頭髪、眉毛などの毛髪類がないわりに、髭だけは存在している。
もっともこの髭も、繊維状のものではなく、よくわからない凹凸状の突起だ。
何も知らない一般人に、ウルトラマン達の顔を並べてみせると、
どれも同じように見えるという。
これは、外人慣れしていない日本人が、外人の顔の見分けができないのと同じだ。
同じように見えても、よく観察してみると、ちゃんと違いを見分けられる。
この点では、ウルトラマンも外人も変わらない。
もっともウルトラマンの場合、全く判別がつかないこともある。
同じデザインのマスクを、使い回すことがあるからだ。
ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラマンジャックを顔だけで見分けるのは、
どんな人相見の達人でも不可能だろう。
特撮マニアの恐ろしい所は、本来見分けが不可能なはずのこれらを、
見分けてしまう所にある。
自分も、いち特撮マニアとして、その境地には達してみたいと思う。
実生活で役に立つのかどうかは、謎であるが。