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食べ物

ネパール料理

投稿日:

世界の屋根、という言葉がある。

これは、ヒマラヤ山脈のことをさしている。

ヒマラヤ山脈は、インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突し、

ユーラシア大陸にできた、大きな盛り上がりである。

東西に1000km以上に渡って続く、この世界最大の山脈の高さは圧倒的であり、

世界の8000m峰のほとんどが、このヒマラヤに集中している。

東西に続くヒマラヤ山脈の、南斜面が「ネパール」である。

最近、たつの市内にインド・ネパール&イタリア料理の店ができた。

インドとネパールは地続きであり、隣国同士なので、

わりと食文化も似通っているのかと思えるのだが、

そこにどうしてイタリア料理が加わっているのか?

ともあれ、友人達と連れ立って、その店に食べにいってみた。

店はこじんまりとしており、テーブルの数は少ない。

4人がけのテーブルが、7~8卓ほどであろうか。

イタリア料理は、比較的、食べる機会がある。

これがインド料理となると、カレー以外はほとんど縁がない。

ネパール料理ということになると、これは全くの未知の世界だ。

メニューを見てみると、値段もお手頃で、

21種類のカレーと7種類のナンが楽しめるとある。

さしあたって、全員が2種類のカレーとナン、その他、

数種類の料理のついているセットを注文した。

で、なんやかやとあり、ようやく料理がやってきて食べたのだが、

これがかなりうまかった。

カレーは日本のものとはちょっと違うのだが、日本人向けに調整してあるのか

違和感がなく美味しい。

巨大なナンも、パリッとした部分と、ふわっとした部分があり、

カレーにあっていた。

一緒についてきたタンドリーチキンもスパイシーだったし、

つけあわせのアルアチャールとパパドもうまかった。

さらにアイスチャイの香りが良く、全体的にクオリティの高い味だった。

店内を見回してみると、インドやネパールのビールの広告が貼ってある。

ランチタイムだったため、さすがこれらは頼まなかったのだが、

インドやネパールにも、地ビールがあるんだなと、驚いた。

それらの広告の間に、ネパールの高山のパノラマ写真が何枚も貼ってあった。

エベレストやアンナプルナなど、ネパールの名山の写真である。

山好きな自分としては、これは嬉しい。

ネパール的な気分が味わえる。

帰りにメニュー表を一枚貰ってきたのだが、

その中に「ネパール料理」というカテゴリーがあった。

先に書いた通り、ネパールはインドと国境を接している。

そのため、インド料理の影響を色濃く受けている。

さらにヒマラヤ山脈を越えて、中国・チベット自治区と接しているため、

中華料理や、チベット料理の影響も受けている。

今日食べたメニューの中では、

カレーやナン、パパドやアルアチャールなどはインドのそれに近いし、

チャイもまたインドの飲み物だ。

どれもネパールで、日常的に食べられているのかもしれない。

「ネパール料理」のカテゴリーにあった料理は9種類。

それは大きく分けて、3つに分類できる。

フライドライスという、一種の焼き飯。

チョウミンという、ネパール風焼きそば。

パコラという、ネパール風天ぷらである。

インディカ米、ジャポニカ米という違いはあるものの、

ネパールでもコメは食べられており、それから考えると、

焼き飯があるのもうなずける。

中国のチャーハンから、何らかの影響を受けている可能性もある。

ネパール風焼きそばについても、中国からの影響のようだ。

天ぷらに関していえば、日本のように小麦粉を使わず、豆の粉を使う。

わりとしっかりと衣がついているので、天ぷらというよりはフリッターに近い。

メニュー全体を見回してみると、「あること」に気がつく。

カレーにしても、それ以外の料理にしても、豚肉を使った料理が少ない。

牛肉に関していえば、全くのゼロである。

もっとも多いのはチキンを使った料理で、マトンを使ったカレーもあった。

ひき肉のカレーもあるが、これも鶏ひき肉をつかっているようだ。

ネパールは、ヒンドゥー教の国だ。

実に国民の80%が、ヒンドゥー教徒である。

そしてヒンドゥー教では、牛を聖なる動物であるとして、これを食べない。

メニューの中に牛肉の料理がないのは、これが影響しているのだろうか?

ブタについても、インド・ネパール料理の中には見当たらず、

イタリア料理の欄に、ベーコンとソーセージの名前があるだけだった。

肉そのものを使用したメニューとしては、マトンよりも少ない。

メニューの中には、チーズを使用したものがあるので、

乳製品に関していえば、普通に食されているのかもしれない。

このあたり、ネパールという国の食習慣が、垣間見える。

さて、先に「なんやかや」あって「ようやく」料理が来た、と書いた。

何があったのか?

何もなかったのである。

ただ、料理の待ち時間が、結構長く、1時間30分ほど待った。

店自体がオープンしたばかりで、スタッフがまだ慣れていないのか、

それとも料理の待ち時間というものには、こだわらない国柄なのか?

また、スタッフは外国人(恐らくは現地の人だろうか?)ばかりなので、

注文する際にはゆっくり、しっかりと、

自分の食べたいメニューを、伝える必要がある。

この2点だけ心得ていけば、お手頃価格でおいしい料理が食べられる。

外国人の経営している店の場合、風習や習慣がいつもと違い、戸惑うこともある。

それもまた、ひとつの楽しみだと割り切ってしまうことが、

異国の味を楽しむポイントのようだ。

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