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「麻婆○○」

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By: se7en

忙しい現代人が、食生活を営んでいく上で、
レトルト食品やインスタント食品を
うまく取り入れていくことは、もはや必須事項である。

例えば、カレーライスである。
もっともお手軽なレトルトカレーを使う他にも、
固形カレールウを使用するのは、もはや当たり前になっている。
わざわざ小麦粉を炒めてルウを作り、
これにカレー粉を入れて作るようなやり方は、
よほどの料理通でなくては、やらないだろう。
さらにいえば、出来合いのカレー粉を使わずに
全てのスパイスを個別に購入してきて、
これらを挽いて粉にし、
独自のブレンドを行なうなんていうのは、
昨今、専門のカレー店でも、やっている所は少ないであろう。
少なくとも「家庭」の中でカレーを作る場合、
即席カレールウを使うのが、現代日本の常識といえる。

同じことは、麻婆豆腐にもいえる。
こちらのほうは、カレーほど時間のかかる料理ではないので、
挽肉を炒めて、各種調味料やスープを加えるなどして、
本格的に作る人もいるかも知れないが、
大方の場合、レトルトコーナーにおいてある
「麻婆豆腐のもと」と呼ばれるものを購入し、
これを使って作ることの方が多いだろう。
かくいう自分も、この「麻婆豆腐のもと」を使っているクチで、
豆腐を一丁と、この「麻婆豆腐のもと」を買って、
お手軽に麻婆豆腐を作っている。

この「麻婆豆腐のもと」、
ほとんどの商品では、調味された挽肉が
レトルトパウチの中に入っており、
これをフライパンか中華鍋の中に入れて温め、
そこへ一口大に切った豆腐を入れて、さらに温めるというのが、
その調理法である。
変わったところだと、調味済みの挽肉の他に
とろみを出すための粉末が入っていることもあり、
挽肉と豆腐を煮込んだ後に、この粉末を水で溶かしたものを入れ、
全体的にとろみをつける。
いずれにしても、この「麻婆豆腐のもと」と
豆腐さえあれば、晩ご飯の1品が出来上がるという、
非常にお手軽な商品である。

最近、スーパーマーケットで
この「麻婆豆腐のもと」を探して歩いていた時、
ようやく見つけたその横に
「麻婆もやしのもと」というのがおいてあった。
初めて聞く商品である。

もともと麻婆豆腐には、派生商品も多い。
たとえば「麻婆茄子」であり、「麻婆春雨」である。
どちらも、レトルト食品コーナーにおいてある。
簡単にいってしまえば、
「麻婆茄子」は「麻婆豆腐」の豆腐の代わりに
茄子の実を入れて炒めたもの、
「麻婆春雨」は、春雨を入れて炒めたものである。
この「麻婆茄子」と「麻婆春雨」については、
商品化されたのもかなり早く、
自分が子供のころには一般的な商品になっていた。
我が家の夕飯では、「麻婆豆腐」も「麻婆春雨」も
定番メニューの1つであった。
(「麻婆茄子」だけは定番化しなかった。
 弟が茄子嫌いだったためである)
うちの母親も、わりと要領よく
レトルト食品を取り入れていたようだ。

話を「麻婆もやし」に戻す。
商品のパッケージ写真を見る限りでは、
これも他の「麻婆豆腐」の派生商品と同じく、
豆腐の代わりに、もやしを入れたもののようである。
「麻婆豆腐」「麻婆茄子」「麻婆春雨」に続く、
第4の「麻婆」か?と思いながら、
近辺を見てみると、なんと「麻婆白菜」という商品もある。
第4に続き、いきなり第5も発見したのである。
裏面の作り方を見てみる限りでは、
「麻婆もやし」は、豚肉、ニラ、もやしを炒めて、
「麻婆もやしの素」を入れて味付けする商品、
「麻婆白菜」は、豚肉、にんじん、白菜を炒めて、
「麻婆白菜の素」を入れて味付けする商品のようである。
ただ、「麻婆豆腐」のように、
挽肉の中に豆腐が埋まっているような感じではなく、
見た感じ、普通の野菜炒めに近い。
「麻婆白菜」に関していえば、八宝菜のようにも見える。

少なくとも、自分の知らないうちに
随分といろいろな「麻婆」料理が開発されていたのである。
家に帰って調べてみると、
「もやし」や「白菜」だけではなく、
他にも様々な商品が、新たな「麻婆」食品として
開発されていたのである。
それらをちょっとここに書き出してみよう。

・麻婆もやし
・麻婆白菜
・麻婆ゴーヤチャンプルー
・麻婆キャベツ
・麻婆きのこ
・麻婆チキン

等々である。
「もやし」と「白菜」については、すでに書いたが、
その他にも「キャベツ」「きのこ」と野菜などの商品が多い。
「チキン」というのは、このシリーズでは初めての
肉を「麻婆」で和えた商品である。
ただ、これにしてもパッケージの写真を見る限りでは、
「麻婆豆腐」というよりは、肉野菜炒めに近い外観である。
凄いのが「ゴーヤチャンプルー」である。
それ自体が1つの料理として成り立っているものを、
わざわざ「麻婆」にしようというのだから、
その発想に恐れ入ってしまう。
調べてみた所では、この「麻婆ゴーヤチャンプルー」は、
今年の8月末までの期間限定商品らしい。
メーカー側としても、
とりあえずのお試し商品ということだろうか?

さて、自分が知らないうちに、
どんどんとその数を増やしていた「麻婆」商品。
日本の食品メーカーの、商品開発力の凄さを思い知らされる。
おおよそ、「麻婆」になりそうにないもの、
あるいは、すでにひとつのレシピとして完成している
ものにまで手を伸ばし、「麻婆」にしていくその執念。
本場・中国の人間が、これをどう見ているのかは
大いに気になるところだが、
料理のレシピには著作権のようなものは存在しない。
これからもメーカーの、新「麻婆」商品開発は続くだろう。
果たして、一体どんな奇抜な商品が
生み出されることになるのか?
正直、ちょっと楽しみである。

ただ、元祖「麻婆豆腐」を作り出した
陳麻婆と呼ばれた婆さんは、
あの世でひっくり返っているかも知れない。

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