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北緯35度線やや下の旅〜国内編

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地球の上には、目に見えない「線」が何本も走っている。

何を言っているのか分からない、という人もいるだろう。
例えば、国境線である。
国境線というのは、国と国の領土の境目のことで、
周りを海に囲まれている日本に住んでいる我々には、
簡単にイメージしにくいものである。
逆に陸続きで隣国に行ける国の場合、
国境線というのは非常に重要なものになる。
しかし、この国境線というのは
人間が勝手に決めた境界線なので、
地面の上には描かれていない。
(国境線に沿って、フェンス等が設置されていることはあるが)
同じように、赤道というのも地面の上には描かれない
線の1つである。
地球の腹回りをベルトのように、ぐるりと1回転している線が
赤道と呼ばれる線であり、地球上でも特に気温の高い地域になる。

世界地図などを見てみれば、
地図上に何本も縦線と横線が入っている。
これは「緯線」と「経線」と呼ばれるもので、
「経線」は地球の北極点から南極点までを結ぶ線で、
地球の自転方向に従って、ぐるりと1周分走っている。
「緯線」は地球の赤道上を0度として、
そこから北極点、南極点へと向かって90度になるまで
細かく分けられている。
ちょっと難しい書き方をしたが、
わかりやすくいえば、地図に入っている縦線が経線、
横線が緯線ということになる。
つまり地球上の全ての地点は、
東経・西経と北緯・南緯の数字によって
表すことが出来るのである。

これを頭に入れた上で日本地図を見ると、
我が兵庫県を南北に貫く形で、1本の縦線が走っている。
東経135度の経線である。
この経線は明石市を通っており、
日本ではこの東経135度の時間を「標準時間」としている。
この線上に存在している「明石市立天文科学館」には、
日本の標準時間を刻む、大きな時計が設置されている。
さらにこの東経135度の線上を明石から北上していくと、
西脇市の辺りで1本の横線と交わる。
北緯35度線である。
西脇市は東経135度線と、
北緯35度線が交わる地点であることから、
経緯度で日本の中心点にあたることにちなみ、
「日本のへそ」と称している。

そうなってくると、自分の住んでいる
たつの市の経緯度を知りたくなる。
一応の基準として、たつの市役所の所在地を経緯度で表すと、
「北緯34度51分28.5秒
 東経134度32分43.4秒」
となる。
緯度でいえば、「北緯35度線やや下」と表現しても良いだろう。
今回は、この同じ「北緯35度線やや下」を進んでみて、
自分の住んでいるたつの市と同じ緯度に、
どんなものがあるのかを調べてみよう、というものである。

まず、「たつの市」から西方向に進んでみよう。
たつの市から15㎞も進めば「上郡」である。
地形は山ばかりで「北緯35度線やや下」ラインは、
ほとんど平地を通ることなく続いている。
「上郡」から先に進み、岡山県の真ん中辺りを貫通、
岡山県西部で南に「備中高松城」を見ながら、
「吉備高原」へと乗り上げ、そのまま広島県へと入ることになる。
県境を越え、40㎞も西へ進んでいくと、
霧の町「三次市」のある三次盆地にたどり着く。
「三次市」を過ぎれば、中国地方を東西に貫く背骨・中国山地を
斜めに乗り越えていくことになる。
「雲月山」、「阿佐山」など、1000m級の山を越えて、
日本海側へと出ることになる。
そのまま西へ西へと進んでいくと、
ちょうど島根県「浜田市」のやや西側辺りで、
日本海に突っ込むことになる。
そしてそのまま日本海上を250キロほど進むと、
南に「対馬」を目視しつつ、韓国領内へと入っていくことになる。
日本国内での西行きは、ここが終点となる。
たつの市から西では、日本海に出るまでのほとんどを
中国山地を駆け抜けることになる。

ついで「たつの市」から東へと進んでいこう。
いくつかの山を越え「姫路市」へ入るも、市の中心部を通らず
市の北よりの山地を進むことになる。
「姫路セントラルパーク」をこえて東へ進むと、
兵庫県南部に広がる「播磨平野」を突っ切ることになる。
そのまま「六甲山」の裏側を進み、大阪へ入り、
「箕面」「茨木」「高槻」「枚方」と大阪の北部を縦断する。
そのまま京都に入り、山にぶつかった所が
お茶で有名な「宇治」だ。
「宇治」の東にそびえる山地を越えると、滋賀に入る。
山地の中を東へ20㎞ほど進めば、
タヌキの焼きもので有名な「信楽」がある。
さらにそのまま東へ進んでいくと、
忍者で有名な「甲賀」、そして「伊賀」がある。
ここはちょうど滋賀と三重の県境にあたり、
この東には「鈴鹿山脈」が南北に走っている。
山脈を越え、東に進んでいくと「伊勢平野」、
そして伊勢湾沿いの「鈴鹿市」に到着する。

さて、ここまで「北緯35度線やや下」を、
ひたすら東に進んで来たが、
目の前には「伊勢湾」が広がっている。
あくまでも地図上を東へ進んでいくだけなので、
そのまま海の中に突っ込み、対岸の「知多半島」に上陸する。
上陸地点は、焼きもので知られる町「常滑」。
そのまま「岡崎平野」を東へと突っ切ると、
豊川稲荷で有名な「豊川市」がある。
この辺りから、再び山地の中を突っ切るようにして
東へと向かうことになる。
静岡に入り、「浜名湖」を南に見ながら進み、
「天竜川」をこえて「島田」、「焼津」まで行き当たる。

東海道を行くのなら、このまま駿河湾に沿って北東へ進むのだが、
今回は「北緯35度線やや下」を、
ひたすら東へ進まなければならない。
「焼津」から、目の前に広がる「駿河湾」へ飛び込み、
そのまま海上を40㎞ほど東へ進むと、
「伊豆半島」の西岸へと上陸することになる。
そのまま東へ進み、伊豆半島の最高峰「天城山」を越え、
さらに東へ進むと、目の前には「相模湾」が広がっている。
もちろん、そのまま相模湾へ飛び込み、
南に「大島」を見ながら東へ進んでいくと、
房総半島の最南端・「野島崎」をかすめるようにして、
太平洋へと飛び出していく。
この先には、島らしきものもなく、
日本の領海から飛び出してしまうことになる。

自分の住むたつの市から、
「北緯35度やや下」という緯度のまま、
日本列島を横断してみた。
文章の中で「」で表したものが、
たつの市と同じ緯度上に存在している、国内の町や自然物である。
自分の住んでいる町から、まっすぐ東へ、西へと進んでいった時、
その先に何が存在しているのかを知ることは、
意外と面白い。

次回は、日本という枠を飛び出し、
「北緯35度やや下」というラインで、世界を進んでいく。
はたしてたつの市の東西の延長線上には、
一体何が待っているのだろうか?

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