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イノシシ

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山の中を歩いていると、よく地面を掘り起こした跡を見かける。

山の中だけでなく、山に近い所だと、公園の花壇や芝生、

あるいは遊歩道の脇などが、掘り返されていることもある。

これは人間の仕業ではない。

犯人はイノシシだ。

今回は、このイノシシについて書いていく。

山の動物が増えてきたのか、最近では一年中、有害鳥獣駆除をしている。

シカやイノシシによる農作物の被害は、馬鹿にならないものになっているのだ。

シカとイノシシ。

単純に足跡だけで、この2種類の動物を見分けようとした場合、

ちょっとしたコツがいる。

シカもイノシシも、蹄が同じように2つに割れている。

一見した所では、見分けがつかない。

ただ、よく見てみると、イノシシの蹄には、踵の方にもひとつ蹄がついている。

必ず確認できるわけではないが、これがあれば間違いなく、

イノシシの足跡と思っていい。

足跡以外では、餌の食べ跡で、判別することができる。

こちらは簡単だ。

山の中を歩いていて、地面を浅く掘り返しているような場所があれば、

それがイノシシの食事跡である。

地面の中に埋まっている、茸類や地下茎などを食べようとした跡だ。

シカの場合は、地面を掘り起こすようなことはしない。

というか、できない。

あれは、イノシシの丈夫な鼻先とキバがなければ、できない。

シカの場合は、立ち木の幹の皮を剥いで食べる。

そういう皮の剥がれている木を見つけたら、それはシカの仕業だ。

イノシシはもともとユーラシア大陸に、広く分布していた。

アメリカ、オーストラリアには、人間の手によって持ち込まれた。

これは野生のイノシシを持ち込んだのではなく、

家畜化したブタが、逃げ出した後、野生化したものらしい。

中には異常に巨大化する個体もおり、アメリカでは470kg、

中国東北部でも300kgもあるイノシシが確認されている。

こうなってくると、ほとんどクマと変わらない。

雑食性で、地下茎、果実、茸類、タケノコなど植物性の餌を食べる他、

虫、ミミズ、カニ、蛇なども食べる。

シカや鳥、小型のほ乳類の死骸などがあった場合、これらを食べることもある。

ただ、これらを獲るために、狩りをすることはない。

イノシシといえば、「突進」というイメージがある。

これは正しい。

神戸市の一部などでは、人に慣れたイノシシが、人やバイクなどに向かって、

突進してくることがあるそうだ。

もちろん、それ以外の地域でも、イノシシが向かってくることはある。

その際に、鋭い牙で裂かれ、怪我をすることも少なくない。

それだけではなく、噛みついてくることもある。

顎の力も弱くないので、思わぬ重傷を負ってしまう。

日本では300~400kgの、超大型イノシシというのは確認されていないが、

充分に育った成体なら、70kgほどの体重を有しており、

さらに時速40km以上のスピードで走ることができる。

キバが生えているという点をさしひいても、充分な脅威だ。

その勢いでぶつかられたら、大怪我は間違いない。

しかし一般的に、人に慣れているイノシシを除いて、

野生のイノシシは、好んで人に向かってくることは少ない。

その点は、クマに似ている。

たまに町中に出没して、暴れ回るイノシシのニュースがあるが、

慣れない人里に迷い込んで、興奮状態にあるものと思われる。

もちろん、そういった状態のイノシシは、極めて危険であるので

見つけた場合は近づかず、静かに距離をとるようにしよう。

(そうそう、あることではないが…)

そんな危険なイノシシだが、猟師たちには大人気だ。

それはひとえに、その味の良さに理由がある。

イノシシを家畜化したものが、ブタであるということを考えると、

その味わいがブタに近いのは、極めて自然なことだ。

自分も実際に食べたことがあるが、

イメージとしては、豚肉の臭いを強くして、さらに硬くした感じだ。

臭いというのは、いわゆる獣くささで、これは正直、好き嫌いが別れる。

これを風味として許容できる人には、

イノシシ肉は素晴らしく美味しいものになる。

逆にこれを臭みとしてしか捉えられない人は、かなり臭い肉ということになる。

自分の経験からすれば、ポン酢に大根おろしを加えることで、

かなりその臭みを抑えることができる。

そのかわり、料理法がかなり限定されてしまう。

このようにクセのある猪肉だが、いざ買うとなっても、店には売ってない。

そうなれば、必然的にネット通販、ということになるが、

これもなかなかに高価だ。

ネット販売を調べてみた所、もっとも安価なもので100g・320円、

もっとも高価なものになると、100g・1750円であった。

まるで高級和牛なみだ。

ちなみに同じ所で、鹿肉を販売している場合、こちらの値段についても

調べてみたが、こちらはもっとも安価なもので100g・300円、

もっとも高価なものでも、100g・750円であった。

安い方ではほとんど値段が変わらないが、

高い方になると、ほぼ2.5倍の価格差がある。

自分は、登山中に、1回だけイノシシに遭遇したことがある。

姫路市・広峰山の、山頂付近でのことだった。

見た目には30kgほどの、小型(?)の個体だった。

イノシシと遭遇したのは初めてだったが、どうしようかと考える前に、

すごい足音を立てて、走り去ってしまった。

まさしくマンガででも見るような、ドドドドッという足音だった。

自分の方に向かってこなかったので、問題にはならなかったが、

アレが自分の方に走ってきていたらと思うと、ぞっとする。

シカに比べると、随分と短足なのに、すごい早さであった。

激突していれば、死ぬことは無いにせよ、

怪我をしていたであろうことは間違いない。

それ以来、山に登る時は、イノシシにも警戒して登るようになった。

もっとも警戒していたからといって、どうなるものでもない。

実際に出会ってしまったら、こちらにできることは、

刺激しないようにすることだけだ。

そういう意味では、やはりクマに出会った時と変わらない。

今までに、イノシシに出会ったことは1回だけだ。

珍しいものを見たと考えれば、その1回は幸運であった。

このまま山登りを続けていれば、いずれクマにも出会うことになるかもしれない。

そのときは、果たして幸運な出会いになるのだろうか?

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