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ドローン

更新日:

最近、ニュースなどで「ドローン」という単語を
聞くことが多くなった。

最近では、首相官邸の屋上に
ドローンが墜落しているのが見つかり、
さらにそのドローンから、放射性物質が検出されたりして、
かなりのニュースになった。
当初はテロか?などという憶測も飛び交ったが、
結局、後に犯人が出頭することによって、
事件は一応の解決を見た。
まだ、警察の取り調べが
終わっているわけでもなさそうなので、
確かなことはわからないが、
犯人の背後に組織的な存在は、なさそうな雰囲気である。

しかし、この事件以降、
にわかに「ドローン規制」の動きが見え始めた。
よくよく考えてみれば、このドローンは、
首相官邸に侵入することには成功しているのである。
今回は若干の放射性物質であったが、
これがサリンやVXガスなど、
いわゆる化学兵器と呼ばれるものであったとしたら、
今回の事件とは比べ物にならない大事件になっていただろう。
しかも、今回の事件、
もっとも注目すべき点は、
首相官邸内に侵入した時点では発見されず、
後になって、墜落しているのを見つけたという点である。

ドローンのような小型の無人機は、
これまでほとんど一般的ではなかった。
そのため、首相官邸の警備にしても、
こういうものが侵入してくることを、
全くといっていいほど、想定していなかったのだろう。
夜陰に紛れて、電動の無人機を飛ばされれば、
その音が静かなことも相まって、
それを見つけることは難しい。
幸い(?)、今回の事件では
微量の放射性物質を積んでいただけで、
大きな被害が出ることはなかった。
しかし関係者たちは、
易々と首相官邸内に侵入したドローンの恐ろしさについて、
イヤというほど思い知らされた筈である。
今回は、すぐに犯人が出頭したことで、
事件の全容はすぐに明らかになったが、
犯人が、特殊で高度な訓練を受けた人間でなく、
ごく普通の一般人であったことも、大きな衝撃だっただろう。
現在、ドローンは誰でも、
比較的安価で購入することが出来る。
もしこれを「テロ」に使われたら……。
そう考えた関係者たちが、
震え上がったとしても仕様のない話だ。
現在、ドローン規制の動きが急に活発になったのも、
その恐怖のためだろう。
恐らく、近いうちに、ドローンに対して規制がかかり、
飛行区域の制限、免許制の導入、購入時の身元調査など、
何らかの法規制が執り行われるのではないだろうか?

さて、ここまで何の疑問もなく
「ドローン」という単語を使ってきたが、
これはどういう意味の言葉なのか?
調べてみると「ドローン」の
アルファベットでの綴りは「drone」で、
これを英和辞典で調べてみると、いくつかの意味がある。

1・雄バチ(ミツバチの)、怠け者
2・ブウンという音(ハチなどの)、合唱の低音部
3・(遠隔操作の)無人機
4・物憂い話ぶり

と、4つの意味がある。
現在、話題になっている「ドローン」は、
3の「(遠隔操作の)無人機」のことだろう。
「ハチ」という意味合いの強い言葉のようだが、
ハチが空中でホバリングしている様子を
模しているのかもしれない。
遠隔操作の無人機ということは、本来の意味では
様々なラジコン類(車や船も含む)なども、
ドローンということになるし、
もっと極端な話をすれば、鉄人28号なども
一種のドローンということになる。
だが、ニュースなどで見かける「ドローン」は、
タコが足を広げてプレスされたような形をしており、
その複数の足の先にそれぞれプロペラがついているものが
一般的だ。
足の数については4本のもの、6本のもの、
8本のものと、製品によって様々であるが、
調べてみた所では、4本足のものが多いようである。

そしてもうひとつ、ドローンに共通してみられた特徴が、
「カメラ」を内蔵しているものが多く、
内蔵していない場合でも、
カメラをセットできる仕様になっているものが
多いことである。
様々な製品の宣伝文句には
「空撮」という言葉が多用されており、
現在販売されている「ドローン」の多くは、
「空撮」を目的としたものであるらしい。
現在、この「ドローン」を
様々な産業に取り入れていこうという動きがあるが、
販売されている製品のスペックを見る限りでは、
運搬できるものはカメラなどの軽量なものに限られ、
1回の飛行時間も長くて30分ほど、
短いものでは10分も飛べないものがあった。
様々な産業に取り入れていくためには、
「ドローン」自体の大幅なスペックアップが必要だろう。
ただ、市販されている「ドローン」の中には
かなり安価な製品もちらほらと見受けられ、
10000円以下の商品も多かった。
この安価な所や、特別な免許が必要ないことが、
「ドローン」普及の大きな力になっているようだ。

さて現在、この「ドローン」は
様々な問題を引き起こしている。
誰でも簡単に入手でき、どこでも飛ばすことが出来るため、
操縦不能になったドローンが墜落するといった事故も
かなりの数に上っている。
さらに「ドローン」は「空撮」を目的にして作られているため、
今まででは不可能だった視点で
「もの」を見れるようになった反面、
逆に盗撮などに使われれば、
他人のプライバシーを簡単に覗くことも出来る。
今まで、このようなアイテムがなかっただけに、
我々の生活は「空撮」に対して、全くの無防備なのだ。
そう考えれば、我々のプライバシーは今後、
空からの盗撮に対しても、
防御を考えなくてはいけないのかもしれない。
もちろん、今回の事件のように、
あっさりと首相官邸内に侵入したことを考えると、
テロに使用されることについても、
充分考慮していく必要があるだろう。
「ドローン」は、「空撮」という
従来では難しかった体験を、
実にお手軽なものにしてくれた。
たが、そのお手軽さは
様々な問題を引き起こす危険性をはらんでいる。

「ドローン」のもたらす可能性を生かし、
「ドローン」のもたらす危険を防ぐことの出来る、
環境・法律の整備が求められている。

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