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ウルトラマンで考える「経済」〜その3

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前回、前々回とウルトラの国の
第1次産業と第2次産業についてとりあげてみた。
今回は、ウルトラマンたちの第3次産業、
サービス業という観点から、彼らの「経済」を書いてみる。

実は前回、取り上げていた「小売業」というのも、
今回取り上げる、第3次産業に含まれている。
それを踏まえた上でいうと、
第3次産業というのは、
一般的に「小売業」と「サービス業」のことをさしている。
この第3次産業の特徴は、
生産、製造によって作られた商品を販売する販売業の他に、
公的な公益事業、飲食業、教育業など、
分野が多岐にわたっている所である。

さっそくこれらを、
ウルトラマンたちの世界に当てはめてみよう。

さて、まず「小売業」だ。
光の国では「衣・食・住」のうち、「衣食」がないことは、
これまでに何回も書いてきたが、
だとすれば当然、
彼の国での「小売業」にて販売される商品は、
「住」関係の商品ばかり、ということになる。
我々にイメージしやすく例えるとすれば、
「ホームセンター」だろう。
ウルトラマンたちは、ここで思い思いに建材を購入し、
それぞれの技術で、それぞれの家を建てるわけだが、
当然、この「ホームセンター」には、
仕入れ・販売を担当する店員がいる筈である。
日本の「ホームセンター」では、エプロン姿の店員が
レジを打ったり、商品説明をしたり、
建材の専門加工をしてくれるが、
おそらくそれは、光の国でも変わらないだろう。
エプロン姿のウルトラマンたちが、
カートを押して歩いてる顧客ウルトラマンたちを相手に、
商品説明やレジ打ちをするのである。
彼らの生活には「衣」も「食」もないので、
品揃えは日本のホームセンターに比べて少ないと思われるが、
彼らにとっては唯一の、
ショッピングの機会かもしれない。

さらに公益事業である。
市役所や町役場などの役所関係をのぞけば、
水道・電気事業などもこれに含まれる。
ただ、光の国には海がない、ということなので、
果たして水道というものが存在しているのかは、疑わしい。
電気事業に関しては、存在している可能性は高い。
様々な家具を動かす動力として、「電気」は適しているし、
この「電気」を用いることによって、
彼らのエネルギー源である「光」を生み出すことも出来る。
ただ、番組中に何度か出てきた「光の国」を見た限りでは、
送電線や電柱などは確認できなかったため、
電線を地下に埋没している可能性が高い。
また「ウルトラマンは寒さに弱い」という
設定があることを考えれば、
彼らの生活における光熱費というのは、
我々の「それ」とは比べ物にならないほど、重要である筈だ。
そういう風に考えると、「電気」事業というのは、
ウルトラマンたちにとっては一種のライフライン、
生命線と言い換えることも出来るだろう。
これに関わっているウルトラマンたちは、
光の国のライフラインを担当しているという点で、
それなりに地位が高いのではないだろうか?
無論、光の国の国家公務員ということになり、
意外と女性にモテモテかもしれない。

地球で公務員といえば、警察官や消防士がいるが、
光の国にはこれらの職業はないらしい。
なんでも光の国には悪人がおらず、
警察官が必要ないそうである。
何も悪人の逮捕のみが警察官の仕事ではないのだが、
それ以外の役割については、
他の部署が担当しているのかもしれない。
消防士の不在については、
「火事が起こっても、ウルトラ水流で消してしまうので、
 消防士は必要ない」
とのことである。
凄まじい大規模火災についても、
ウルトラマンの手から出る
水鉄砲で対処するのかは知らないが、
火災の種類によっては、「水」が使えないものもある。
さらにいわせてもらえれば、
あの「ウルトラ水流」という水鉄砲は、
あの一族なら誰でも使える技なのだろうか?
さらに災害救助など、消防士の仕事は多いのだが、
その辺については、何もサービスはないのだろうか?

光の国に「飲食業」は存在しない。
なんといっても、彼らは「もの」を食べないからだ。
だが、その代わりに光を浴びなければならないという、
一種の制約がある。
ひょっとすれば、日焼けサロンに似たものが存在しており、
これが地球でいう所の「飲食業」に相当する可能性がある。
はたして「光」に嗜好性があるのかどうかはわからないが、
もし「ある」とすれば、
日焼けサロンは、光の国のパブかカフェにあたるかもしれない。
そうなってくると、ウルトラマンたちは町の日焼けサロンで、
それぞれに好みの光を浴びながら、
談笑に花を咲かせる、ということもあるかもしれない。
そうなってくると、当然、ここの店員には
若く見目麗しい女性か、女性の心をつかむ2枚目がふさわしい。
……。
途端に日焼けサロンが、いかがわしさを増した。
警察の存在しない光の国。
取り締まりのない「この手」の店は、
ドンドンと過激さを増していくだろう。

「教育業」については、本の中でも触れられていた。
子供に教育を与える「学校」の他にも、
格闘技などを教える「道場」も存在しているらしい。
彼らは意外と教育に熱心なのである。
はたして彼らは学校で「何」を学ぶのだろうか?

さらに「病院業」というものもある。
あのウルトラの母は
ウルトラクリニック78に勤めているという。
クリニックというからには、
それなりに薬や治療器具などがあるのかもしれないが、
作中では全くその辺りのものは使用されず、
ウルトラの母の光線技のみで、治療がなされていた。
宇宙警備隊は、頻繁に怪獣や宇宙人と戦っているようなので、
ケガ人も多く、クリニックは繁盛していると思われる。
しかし、「ウルトラマン」最終話での
「私は命を2つもってきた」という、台詞から考えるに、
あの国では「命」が量産されており、
持ち運びも可能であるようだ。
そのような世界で、はたしてクリニックには
どのような役割が期待されているのだろうか?

そして「宇宙警備隊業」というのがある。
ウルトラ兄弟たちが所属しているのが「これ」だ。
わりと頻繁に死んだりもする、危険な業務なので、
給料も多いものと考えられる。
我々のイメージからすると、光の国の人間は、
ほぼ全てが宇宙警備隊をやっているように思ってしまうが、
実は宇宙警備隊というのはそんなに多くない。
100万人ほどしかいないのだ。
100万人、といえば随分多いように思えるが、
光の国に住んでいるウルトラマンたちは、
180億人ほどいる。
そのうちの100万人というのが、
いかに少ないかという話である。
人口比でいえば、18000分の1だ。
残りの18000分の17999は、
宇宙警備隊とは関係ない、一般職についていることになる。
光の国の「経済」は、彼らが回しているのだ。
光線技を出したり、物騒なブレスレットを持っていたりして、
凄く危険な一族に見えるが、
そういうのは、本当にごく一部なのである。
そしてこの宇宙警備隊の活動費は、
18000分の17999のウルトラマンたちの納めた、
血税によって成り立っているのである。

さて、3回にわたり、
ウルトラマンたちの「経済」に関して考えてきた。
「衣・食・住」の「住」しかない、ウルトラマンたち。
ウルトラの父に「物流」を押さえられている
ウルトラマンたち。
そして、圧倒的多数の一般市民のウルトラマンたち。

彼らは、我々と同じように(?)生活し、
光の国の「経済」を動かしているのである。

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