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ウルトラマンで考える「経済」〜その1

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子供のころに読んだ、ウルトラマン関係の本の中に、
こんな記述があった。

「1ウラー=30円」

この「ウラー」というのは、ウルトラマンの故郷、
「光の国」で使われている通貨で、
それを日本の貨幣価値に換算したものが、これである。
何より驚いたのは、あのウルトラマンたちに
「カネ」というものが存在していた、という事実である。
そっかー、あいつらでもカネ使うんだなー、
なんて思ったものだが、
冷静に考えてみれば、一定以上に発達した文明の中では
当然、「経済」というものも存在しているだろうし、
「経済」のレベルが一定以上に発展していれば、
「貨幣」というものが存在していても、
何もおかしくはない。

ここで「経済」という言葉を、国語辞典でひいてみると、

経済 ……「経国済民」の略、国を治め、民を救うこと
     生産・消費の社会活動
     費用がかからないこと

と3つの意味が記されている。
今日、我々が「経済」という言葉で指し示しているのは、
「生産・消費の社会活動」のことだろう。
今回、自分が取り上げている「ウルトラマンたちの経済」も、
この意味で取り上げている。
つまりはウルトラマンたちの生産と消費である。

しかし、ここで改めてウルトラマンについて考えてみよう。
我々、人間が生活していく上で必要なものを、
「衣・食・住」と大きく区分けして考えることがある。
「衣」というのは衣服のことで、
我々が普段身に着ける衣類のことをさしている。
「食」はそのまま食べ物、
「住」というのは住居のことで、
人間の住環境のことをさしている。
我々が生産・消費しているものは、その大半が
この「衣・食・住」に関わっているのは、
これもまた当然のことである。
だが、この「衣・食・住」をウルトラマンに当てはめた場合、
この「衣」と「食」がきれいに消えてなくなる。

ご存知のとおり、ウルトラマンたちはスッポンポンだ。
言い換えれば「裸族」である。
映画などを見ていれば、
たまにマントなどを身に着けている者もいるが、
基本的に彼らに「服を着る」という概念はない。
たまに、飛んで行って「敵」を切り刻んで返ってくる、
物騒なブレスレットを身に着けている者もいるが、
そのような場合でも、基本、彼らは全裸にブレスレッドだ。
日本で同じ格好をすれば、たちまち「変質者」ということで、
警察に通報されてしまう。
つまり彼らにとって、わずかな装飾品以外、
「衣類」というものは存在せず、
彼らの生活の中に「衣」はないということになる。
作中にて、
「ウルトラマンたちは寒さに弱い」といわれているが、
そのような弱点を持った種族に、
どうして「服を着る」という文化が生まれなかったのかは、
謎である。
(ちなみに、稀ではあるが「鎧」を着ることはある。
 さらにウルトラマンたちはかつて、
 地球人と同じ姿をしていたらしいが、
 そのときはきちんと服を着ていた。
 さらにいえば、ウルトラマンたちは絶対零度の宇宙空間を
 全裸で飛んでやってくるわけだから、
 「寒さに弱い」というのも、かなり怪しい)

さらにウルトラマンたちは「光」をエネルギーにしている。
人間のように、生命を維持するために
様々な栄養を取る必要がなく、
ただただ「光」を浴びていればいいのである。
まるで「太陽電池」搭載の電卓のようだ。
つまり彼らは、経口で栄養を摂取するということはなく、
彼らの生活の中に「食品」というものは存在しない。
そこには「料理」も「食文化」も存在せず、
ただ、日光浴があるだけである。
(ちなみに人間に「変身」しているときは、
 食事によってエネルギーを摂取するらしい。
 そうなると、ウルトラマンの「変身」は、
 ただ、外見をごまかすためだけのものではなく、
 その生物としての「本質」まで
 変貌させてしまうものであるらしい)
かつて「電子レンジ」の回でも書いたが、
光(可視光線)はある一定の波長の電磁波のことなので、
これに近い紫外線や赤外線でも、
彼らのエネルギーになる可能性はあるが、
その辺りの詳しいことについては、はっきりとはしていない。

「衣」も「食」もない、ウルトラマンたちの生活だが、
さすがに「住」は存在している。
最初に書いたウルトラマン関連の本では、
「ウルトラ兄弟の家は空中に浮いていて、
 用事があると、家ごと移動できる」
と、なっている。
いわば乗り物と住居がひとつになった、
キャンピングカーに近いものなのかもしれない。
しかし食事をしないのだから、キッチンは存在せず、
同じ理由でトイレも存在しない。
衣類を収めたクローゼットやタンスもなく、
当然、ヘアー関連の道具も存在しない。
風呂ぐらいはあるか、と思ってしまいそうだが、
光の国には海がないそうなので、
そもそも「水」が存在していない可能性もある。
そうなってくると、当然、風呂も存在しないことになる。
と、いうことは、彼らの家の中にあるのは
居間と寝室くらいで、実に寂しい住居ということになる。
これでは光の国の大工たちも、腕の振いようがないだろう。
……。
実は、これも間違いで、光の国には大工は存在しない。
本によれば、彼らは器用なので、
自分の家は自分で作ってしまうそうだ。
もっとも、寝室と居間しかない家ならば、
作るのにもそれほど手間はかかるまい。

そうなると、彼らの「経済」活動の中心となっているのは
住環境関連であり、
大工という建築専門家が存在しないので、
光の国は日曜大工のための「ホームセンター」が、
幅を利かせていることになる。
彼らの国では、建築材料を作るために、
鉱物や原油が採掘され、
これらが工場で加工されて、
建築材料としてホームセンターにて販売される。
住宅を造るのであれば、木材なども使いたい所だが、
光の国にはコケしか生えていないそうなので、
植物由来の建材を生産することは出来ない。
彼らの「経済」活動は、
建築関連という極めて狭い範囲のみに存在していることになる。

今回は、「衣・食・住」という点から、
ウルトラマンたちの「経済」について考えてみた。
次回は「物流」という観点から、
彼らの「経済」に迫ってみたい。

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