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NHKの闇

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先日、おかしな時間に眠ってしまったせいか、
真夜中にふと目が覚めてしまった。

時計を見てみると午前3時で、まだまだ外も真っ暗だ。
しかしテレビを消し忘れたまま
眠ってしまったようで、
テレビからは音と映像が流れ続けていた。
誰かが、誰かを詰問しているような声で、
まるで国会中継の質疑応答のようだ。

画面に目をやってみると、
国会内の会議室のような部屋で、
スーツを着たオッちゃんとオバちゃんが、
同じくスーツを着たオッさんを問いただしている。
画面の端を見ると、
「NHK予算~~」と表示されている。
話を聞いている限りでは、どうやら来年度(?)の
NHKの予算について話し合っているようで、
その際、国会議員からNHKの経営方針や、
NHKの不祥事について、厳しい質問が投げかけられていた。
どこのテレビ局がやっているんだ?と思って
チャンネルを確認すると、
何のことはない、散々に責められている当のNHKであった。

ミョーなタイミングで目が覚めてしまった自分は、
とりあえずそのままテレビ画面を凝視した。

NHKは公共放送である。
そのお固い姿勢や放送内容から、
「国営放送」とか「半官半民」と誤解されることもあるが、
実際には他の放送局と同じように、その独立性を保っている。
つまり国からは一切、資金面における援助を受けていない。
だが、他の民放各社のように収入を広告収入によらず、
国民からの受信料徴収という形をとっている。
ここが、NHKが他の放送局と根本的に違っている点だ。
本来なら、こうした機関には
行政の監視がつくのが普通であるが、
放送局の自立性、自主性、表現の自由を確保するために、
行政による監視は行われず、
国民・視聴者を代表するものとして、
国会による予算の審議が行なわれているのである。

あれ?行政と国会って一緒じゃないの?
と思う人もいるだろう。
実は一緒ではないのである。
よくよく思い出してみてほしい。
小学校が中学校の社会科の授業で、
「三権分立」という言葉を習わなかっただろうか?
ここでいう「三権」というのは、
立法、行政、司法の3つのことである。
「立法」というのは法律を作るもので、
具体的には国会のことをさしている。
「行政」というのは法律に基づいて政治を行うもので、
具体的には内閣と各役所関係がこれにあたる。
「司法」というのは法律に基づいて裁判を行うもので、
具体的には裁判所がこれにあたる。
これらは「国」という大きな括りで見られているが、
本来はそれぞれが独立した権利を持つ組織で、
それぞれが力を持ちすぎないように、
バランスをとっているのである。

この晩、眠れぬ自分が見たのは、
国会によるNHKの予算の審議だったわけである。
つまり、鋭く相手を詰問していたのが国会議員、
鋭く突っ込まれ、タジタジと答えていたのが
NHKの役員だったわけである。

国会議員たちは、
実に生き生きとNHK役員を責め立てていた。
ネタは色々である。
NHK職員給与の引き下げが、なされなかったこと。
受信料徴収がかなり強引な手法によって
なされているケースがあること。
NHK会長が私的にハイヤーを利用し、
その費用を局で支払っていた件。
特に会長のハイヤー利用の件については、
その公私混同っぷりについて、散々に責めたてていた。
政党など関係なく、
ほとんど全ての議員がNHKをこき下ろしていた。
その姿を見るたびに、
「あー、普段、散々TVで叩かれて
 鬱憤たまってんのかなー」
と感じざるを得なかった。
責め立てられているNHKにしても、
その答弁はしどろもどろで、
ごにょごにょと言葉を濁しているシーンもあった。
はっきりいって「予算審議」というよりは、
一種の弾劾裁判のようでもあった。

様々なネタで、散々にNHKを責め立てた国会議員たちだが、
時間がきたのか、審議の決を取る時間になった。
あれだけ、NHKを叩いていたのだから、
否決されるのかなー、と思っていたら、
なんのことはない、
賛成多数であっけなく可決されてしまった。
それまでのヒートアップぶりからは想像できないほどの、
あっさりとした可決であった。
参加していた国会議員のうち、自民党と公明党が揃って
新年度予算案に賛成したことが、この結果を生んだようだ。
見ていた限りでは、自民党の議員からも
結構、キツい突っ込みが出ていたようなのだが、
そんなものはまるでなかったように、
あっさりと決まってしまった。
民主党をはじめとする野党は、ほぼ反対だったようだが、
与党が一致して賛成してしまえば、
予算審議は通過せざるを得ないだろう。
見ている側からしても、
ちょっと違和感のある結末であった。

だが、この夜見た
国会議員とNHKのやり取りを見ている限りでは、
NHKは随分と問題を抱えているようである。
特に会長がハイヤーを
不正に利用していたことなどをみると、
組織として、トップからおかしくなっている可能性がある。

だが、NHKの抱える最大の問題は、
このような重要な審議についての放送を
夜中の3時という、誰も見ていないような時間に
流していることではないだろうか?
はっきりいって、NHKが散々に責め立てられる
この「予算審議」は、
NHKからしてみれば、
あまりに見られたくないシロモノだろう。
しかし、だからといってそれを
夜中の3時に放送するというのはどうだろう?
あまりにも「都合の悪いモノ」を隠そうとする
「思惑」が見え見えではないだろうか?
この「臭いものにはフタ」という体質が、
NHKの全て問題の底に流れている気がしてならない。

NHKの闇は、そのまま深夜3時の闇そのものだ。
つまりは真っ暗である。
これを、いかに明るい時間に放送できるかというのが、
NHKの体質改善の目安になりそうだ。

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