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うなぎ~釣り編

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前回、うなぎについて、その歴史を主に取り上げた。

今回は、そのうなぎを捕獲する方法、「うなぎ釣り」について書いていく。

現在、市場に出回っているうなぎは、そのほぼ全てが養殖物となっている。

うなぎ屋にいけば、稀に天然うなぎを食べることもできるが、

養殖ものに比べると、圧倒的に高価なものになってしまう。

近年は、シラスウナギの不漁も手伝って、

養殖物ですら値段が跳ね上がっている。

昨今、うなぎ屋でうなぎを食べようとすれば、

相当の出費を覚悟しなければならない。

しかも、それで食べることができるのは、養殖物だ。

スーパーなどの量販店に行けば、うなぎの蒲焼きがパック詰めで売られている。

こういうものの大半が養殖もの、さらには中国産になる。

国産のものは、たとえ養殖であっても、驚くほどにいい値段がついている。

そして当たり前のことだが、スーパーではどう探してみても

天然うなぎの蒲焼きは、見つけることができない。

食通が書いている本を読むと、大体、天然うなぎのことをベタボメしている。

いわく、無駄な脂がなく、皮も軟らかく

身がしまっていて、旨味が多いのだそうだ。

どうせ一般人の懐具合では、天然うなぎを食べられないと思って、

勝手なことを言っているようにも思える。

そんなことはない。

たしかに高級うなぎ店の天然うなぎは高価だが、

これを格安で食べる方法がある。

自分で釣ってくればいいのである。

そうすれば、驚くほど安い値段で、天然うなぎを食べることができる。

しかし釣るといっても……、と考える人は多いだろう。

ちょっとネットで調べてもらえればわかるが、

実は、うなぎ釣りというのは、意外と簡単なのである。

うなぎを釣ろうと思えば、なんといっても夜釣りがいい。

竿も高価なものは必要ない。

安価な投げ竿で充分である。

それなりに丈夫な竿であればよい。

リールについても、高価なものは必要ない。

適当なスピニングリールに、3号ほどのナイロンラインを、

100mも巻いてあれば、ことは足りる。

後は仕掛けであるが、これまた簡単だ。

必要なものは、うなぎ針(テグス付きのもの)、よりもどし、中通しおもり、

竿先につける鈴、これだけである。

釣道具屋で買いそろえても、500円もしないだろう。

餌はミミズだ。

庭先を掘り返してもいいし、釣道具屋で購入してもいい。

汽水域で釣るのなら、ゴカイやアオムシでもかまわない。

竿にラインを通し、中通しおもりをつけて、よりもどしをつける。

後はよりもどしの先にうなぎ針のテグスを結べば、仕掛けは完成だ。

竿の先に鈴をつけ、針に餌をつけて川の中に投げ込めばいい。

おもりが川底についた所で、ラインをピンと張ってそのまま待つだけだ。

季節は初夏から晩秋まで、遅いほどいいサイズのうなぎが釣れる。

が、うなぎ釣りは初夏の釣り、ということになっている。

初夏の夕涼みをかねて、釣りに出かける人が多い。

この釣り方を「ぶっ込み釣り」といい、一種の投げ釣りである。

待ちの釣りなので、1人で何本も竿を出している人もいる。

ただその場合、複数の竿にアタリがあったときには、どうしようもない。

この釣りは、場所によっては、根がかりが多くなる。

仕掛けの予備は、多めに持って行っておいた方がいいだろう。

初夏の夜、川面を眺めながら、ゆっくりとアタリを待つのは、

なんともいえない贅沢な時間だ。

辺りの草むらから聞こえてくる、虫の声。

近くの道路を走っていく、車の音。

そして目の前の川を流れる、水の音。

ペットボトルのお茶をチビリと口にしながら、アタリを待つひととき。

まさに癒しの時間だ。

が、ひとたび鈴がチリンと鳴れば、癒しなど、どこかへ吹き飛ぶ。

竿先をヘッドライトで照らし、その動きを測る。

そして一気に竿先が動いた瞬間にアワセをして、リールを巻き始める。

夜釣りなので、手元に近づいてきても、何がかかっているかは、はっきりしない。

水面をライトで照らし、うねうねとうねっていたら万歳、うなぎだ。

うねっていなければ残念、タモ網を出そう。

間違っても、うなぎが釣れた時に、網を出してはいけない。

うなぎが網に絡んで、大変なことになる。

ここまで、うなぎ釣りの流れをひととおり書いてみたが、

これほど簡単には釣れない。

というよりは、釣れるには釣れるのだが、肝心のうなぎは、なかなか釣れない。

重要なのはポイントの選択で、うなぎ釣りに関わらず、

ほとんどの釣りは場所を選ぶ時点で、大方の結果は決まってしまっている。

こればっかりは、正解というものはない。

何度も川に足を運んで、自分だけのベストポイントを探し当てるしかない。

だが、安心してほしい。

うなぎが釣れなかったとしても、他の魚はいろいろと釣れる。

淡水であれば、鮒、鯉、ウグイ、ナマズ、ギギ、等々。

河口など、汽水域であれば、ハゼ、スズキ、クロダイ等々。

鯉、ナマズ、ハゼ、スズキ、クロダイなどは、持って帰って食べることもできる。

そこそこのサイズのものも釣れるので、そういう意味では単純に外道と

切り捨てることはできない。

うなぎは釣れずとも、なんらかの「お土産」が釣れる可能性は高い。

もちろんうなぎが釣れれば、それに越したことはないのだが。

そしてついに、うなぎが釣れた場合だ。

これが恐ろしいパワーで、うねうねと暴れ回る。

下手をすれば仕掛け糸を巻き込んで、団子状になってしまう。

こうなると厄介だ。

仕掛けの方は諦めて、がんばってうなぎを針からはずことに専念したい。

しかしなかなかうまくいかない。

問題は、うなぎの想像を絶する力と、その表面を覆っているぬるぬるの粘膜だ。

これがうなぎの扱いを、格段に難しくしている。

下手に腕に絡み付かれれば、腕はネトネトになり、

もし服についた場合、臭いがこびりついてしまう。

できうる限り速やかに取り込み、変に絡まれないようにしてバケツに放り込もう。

バケツの底で、うねうねと泳ぐうなぎを見た時、

思わずガッツポーズが出てしまっても、無理のない所だ。

しかし、うなぎの本当の恐ろしさはここからだ。

次回、うなぎ~調理編に続く。

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