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綾部山梅林

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By: gtknj

日本には、全国各地に「梅」の名所がある。

全国的に有名な所を挙げれば、
茨城県水戸市の「偕楽園」、
大阪府大阪市の「大阪城公園」、
東京都世田谷区の「羽根木公園」、
三重県いなべ市の「いなべ市梅林公園」、
京都府京都市の「北野天満宮」などである。

これらは、全国の「梅の名所ランキング」において、
1位~5位に選ばれている、人気のスポットである。

もちろん、この5カ所だけでなく、
日本全国には、それこそ数えきれないほどの
「梅の名所」が存在している。

現在でこそ、「花」といえば
「桜」のことを指すようになっているが、
奈良時代以前は「花」といえば「梅」であった。
「梅」よりも「桜」が愛好されるようになったのは、
平安時代以降のことであり、
それ以前に和歌などで「花」と歌われている場合、
それは「桜」ではなく、
「梅」を指していることが多いのである。
つまり「観梅」は「観桜」よりも歴史が古いのだ。

自分の住んでいる「たつの市」で、
もっとも有名な梅の名所といえば「綾部山梅林」である。
先の全国版「梅の名所ランキング」においても、
堂々の16位にランクインしている。
兵庫県内からは唯一のランクインとなるので、
県内随一の「観梅スポット」といってもいいだろう。
この「綾部山梅林」に観梅に出かけるのが、
ここ最近の春の定例行事となっている。

「綾部山梅林」は、
兵庫県南西部、西播磨の最南端に位置し、
眼下に瀬戸内海国立公園の広がる梅林である。
標高144mの綾部山一面に広がっており、
「ひと目、2万本」がキャッチフレーズになっている。
また、眼下に瀬戸内海が広がっていることから、
「海の見える梅園」ということでも、人気がある。
24haの敷地内に、
白梅、紅梅入り混じって植えられており、
毎年、開花シーズンになると、
梅林は観梅目的の観光客で溢れかえる。
近くの休耕田では、菜の花が栽培されており、
梅と開花シーズンが重なるため、
梅園の開園期間中は、山に一面の梅、
平地には一面の菜の花畑が広がることになる。

この「綾部山梅林」は、
観梅だけを目的とした梅園でなく、
本来は、梅の実の収穫を目的とした梅園である。
そのため、この開花シーズンは
梅にとっての受粉のシーズンでもある。
梅は、虫によって花粉を媒介してもらう
「虫媒花」であるため、
園内には受粉を促進するために
蜜蜂の巣箱が数多く設置されており、
園内には大量の蜜蜂が飛び回っている。
梅園内に設置された売店では、
この蜜蜂の集めたハチミツも販売されている。
本来であれば、このハチミツこそが
蜜蜂を飼う最大の目的のはずだが、
この梅園に限っていえば、梅の受粉が目的なので、
ハチミツは副産物、ということになる。

3月8日が日曜日であったためか、
梅林はかなりの人の入りであった。
綾部山の麓に用意された臨時の駐車場には、
兵庫県内のみならず、
大阪、岡山、京都ナンバーもあった。
大阪や京都などは、綾部山よりも人気の
観梅スポットがある筈だが、
どういうわけかわざわざ観光バスを仕立ててまで、
この綾部山梅林に観梅にやってきている。
これは綾部山梅林のみならず、
眼下に広がる瀬戸内海国立公園、
新舞子の干潟、
さらにはこの綾部山から西へと続く
播磨灘の自然海岸を含めて
観光スポットになっているためだろう。

麓の入園口で入園料を支払い、
コンクリートで舗装された山道を登っていく。
入園口付近には、多くのテントが立てられ、
梅を使ったお土産品をはじめ、
地元の物産を販売している。
すでに観梅を終えて、山から下りてきた観光客たちが、
ここで熱心にお土産を物色している。
少し登った辺りに、毎年「柏餅」の屋台が出ており、
梅林にちなんだ「梅柏餅」を販売している。
結構人気があるらしく、たまに行列ができている。

さらに道を進んでいくと、分岐点があり
案内看板も立っている。
ちょうどこの辺りから、梅の木が多くなってくる。
園内には2カ所ほど、小屋が建てられていて
そこでは入場券に付属している引換券で、
甘酒か梅ジュースを一杯、飲むことが出来る。
ちょうど三寒四温と呼ばれる時期なので、
温かい甘酒と、冷たい梅ジュースが選べるのは嬉しい。
南入り口近くの小屋では、
うどんや梅弁当を食べることも出来る。
眼下に瀬戸内海と姫路平野を見下ろしながら、
ベンチに腰を下ろして、休憩することが出来る。

園内には、様々な俳人や歌人たちが、
梅林の美しさを歌った歌碑や句碑がある。
シーズン中には毎年、俳句大会が催されており、
誰でも気軽に応募することが出来る。
また、梅林内にはいくつかの古墳が残されており、
「古墳群の中の梅林」というフレーズも使われている。
ただ、実際に歩いてみた感覚でいえば、
古墳群の中に梅林がある、というよりは、
梅林の中に古墳群がある、といった方が正しいだろう。

自分が訪れた3月上旬には、
まだ咲いていない梅も多数見受けられたので、
まだ当分の間は、梅の花を楽しむことが出来そうだ。

だが、ちょっと問題点もあり、
あまりに多くの観光客がやってくるものだから、
近くの国道250号線では、大渋滞が発生していた。
近くに駅がないため、
(最寄りの駅が、山陽電鉄の網干駅であるが
 徒歩で行ける距離ではないため、
 バスかタクシーを使うことになる)
どうしてもマイカーでやってくる観光客が多いためだ。
ちかくに、「道の駅」や「世界の梅公園」、
「室津の町並」など観光スポットも多いため、
これらを見て回りやすい、マイカーが便利なのだ。

やはり平日よりも土日の方が、道が混雑するようなので、
なるべく、土日を避けて行くか、
あるいは、どうしても土日に行く場合は、
朝一番で入場するなど、
何らかの渋滞対策をしたほうがいいだろう。

入園料は大人500円、子供400円、
駐車場は普通車500円となっている。
ちょっとした山登りになるので、
歩きやすい靴で行くようにしよう。

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